この感情は何だろう 無性に腹立つんだよ 自分を押し殺したはずなのに

ズンダカズンダカ隣のヤン車がうるさかった。ウーハーとかいうやつだ。低音部のみを強調してどんな曲でも原始音楽みたいに歪めてしまうアレだ。ハーモニーやラインの美しさなど消し飛ばす例のアレだ。人の嗜好にとやかく言うつもりはないが、そんなのがいいなら和太鼓のＣＤでも買えとか思うのはもはや僕だけではないと信じたい。しかもそんなやつらが好むのはラップだのヒップホップだのイエローモンキーが黒人の真似しても醜いだけだってのがまだわかんないのかボケって思うようなジャンルだ。韻を踏むだけのために並べられた言葉の羅列とマサイ族でもビックリなくらいにドラムメインの音楽を更に低音部のみ強調して一体何がしたいのか。つまりシンプルにしたいんだ。複雑な音の組み合わせとその上に構築される美的観念をもはや理解しようともしないわけだ。ズンダカズンダカと一定パターンを繰り返すドラムとそれに合わせて韻を踏みながら似たような言葉を延々繰り返す音楽。これは原始部族が祭りなどに行うトランス状態を生み出す儀式と同じだ。いわゆるマインドコントロールの一種だ。車内という非常に狭い空間に満ちたマインドコンロール音楽によってトランスし意味もなくはしゃぎ倒すわけだ。これが人類の原点回帰願望でなくて何だというのか。シンプルにしたいんだ。複雑な文化はもう嫌なんだ。どんな言葉でも短縮しできるだけ記号化する行為もまた同じ。多様性の排除なんだ。個性個性とこだわりながらやってることは右にならえの多様性を失った若者文化。こりゃ人類の先も長くないなって僕は信号待ちの間に考えたもんだよ。それくらい大人になったよ。そんな僕はキルスティン・ダンストの流し目が好き。