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男はプライドで生きてくもんだ
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 僕「なぁ、もう真夜中だし帰ろうぜー?」

ボン「おいおい!暇だからって集まってドライブしんてのに帰ってどーすんだよ!」

ユウ「つってもよぉ、何も目的ないのに男三人でドライブしててもなぁ。」

 僕「そうそう。遊べる女も見つかんないわけだしー。」

ボン「だからお前らはダメなんだ!」

 僕「何よ、いきなり。」

ユウ「ほっとけほっとけ。いつもこれじゃねーか。」

ボン「つか待て!アレ女じゃね?」

 僕「ちょっと待って車そっち向けるわ。」

ユウ「テレクラか?こんな時間に電話ボックスにいるなんて。」

ボン「いや、電話してないな。おいシゲ!もっと近づけろ!」

 僕「えー何か怖くねぇ?死体だったらどーすんのよ?」

ユウ「死体だったら逃げればいいだけやんか。」

 僕「そゆことじゃねーって!見たくねーんだよ!」

ユウ「まぁ俺は知り合いが人殴り殺すの見たことあるしなー。」

 僕「ユウちゃんマジやめてよ。僕ノーマルな人間だし。」

ボン「お前らうるさいぞ!集中しろ!」

 僕「・・・何に?」

ユウ「どーやら酔いつぶれたキャバ嬢みたいだな。」

ボン「キた・・・キたな!」

 僕「だから何よそのハイテンション!?」

ボン「シゲ!真横つけろや!ちょっと俺見てくる!」

 僕「止めといた方がいいんじゃねーのー?なんかヤヴァい予感が・・・。」

ボン「任しとけって!」

ユウ「・・・あーあ、マジで行ったよアイツ。」

 僕「この時点で警察来たら確実に俺たち事情聴取だよな。」

ユウ「そんときゃ逃げるしかねーだろ、アイツには悪いけど。」

 僕「ってアイツめちゃくちゃ乳もんでるよぉ!」

ユウ「・・・んで引き起こして・・・担いで・・・?」

 僕「こっち持って来たよ!何してんだよ!」

ボン「どっこらしょ!オッケ行くぞ!」

 僕「何!?何が始まるわけ!?」

ボン「ち!何ビビってんだよ!運転代われや!」

ユウ「うわ!酒くさ!この女どんだけ飲んだんだよ!」

ボン「さーて、どこ向かうかのぉ!」

 僕「あのさ、これって軽く誘拐じゃねぇ?」

ユウ「ヤバいよなぁ、これはさすがに。」

ボン「何言ってんだ。これからの事は全部その女の夢なんだ。そーゆーオチになるんだ、結局のとこ。そんで俺たちウハウハ。キたでぇ!」

ユウ「ボンがトップギア入っちまった。」

 僕「真夜中に泥酔したキャバ嬢拾って後部座席でツーショット。あかん、これはあかんよ!俺は新聞載るようなことだけはしないってオカンに誓ってるんだよ!」

ユウ「逆に考えれば載らなけりゃ何してもいいじゃねーか。」

ボン「そうそう、これは全部夢なんだよ。そしてとても楽しい夢だ!」

ユウ「うわ、何か俺も盛り上がってキた!」

 僕「・・・でも確かにウハウハだな。よく見るとこの女オッパイでかい!」

ユウ「んだよー俺も後に移りゃよかった。」

 僕「とりあえずこの際だから揉ましてもらいます!」

ボン「やっとけやっとけ!拾ったんだから俺たちのオッパイだ。」

ユウ「・・・どうよ?Dは軽く超えてる感じだな。」

 僕「俺たちのオッパイはすごく柔らかいです!」

ユウ「おぉー!それは楽しみ!」

ボン「とにかく輪姦せるとこ探すべ。」

 僕「えっと、脱がせていいですか?」

ユウ「それはダメだ!まだ早い!」

 僕「ええやんかええやんか!こうなりゃヤってヤれだ!」

 女「・・・う~ん・・・。」

ユウ「やば。起きた。」

ボン「バカやろ何やってんだよ!」

 僕「どうする?どうする?どうすんのよ!?」

 女「・・・ここどこ~?」

ボン「あぁ、起きた?今ね海向かってるんだー。」

 女「海?・・・アタシ海好きね。泳ぐ行く?」

ボン「そうそう!みんなで裸になって泳ぐよー!」

 女「それいいね!海久々よ。」

ボン「あははーそっかそっか!そりゃよかったよ!」

ユウ「・・・なんだコイツ?片言じゃねーか。」

 僕「韓国人かな?」

ユウ「おー、外人マンコかー!すげーなー!」

 僕「俺は咄嗟のやり取りで速攻友達になったボンのがすげーと思う。」

ボン「韓国人ってことはキムか。」

ユウ「何でだよ。」

ボン「おいキム!キムは歳いくつだ?」

 僕「キムになってるし。」

キム「キムタク?知ってる!アタシ会ったことあるね!」

ユウ「いやそうじゃねーよ。」

キム「ウソじゃないよー!写真もあるよ!」

 僕「うわ!ちょちょちょっと!コイツ何かバック漁ってんだけど!」

ボン「何ビビってんだよ。」

 僕「何か凶器出てきたら俺死ねるやん!」

ユウ「キャバ嬢がどんな得物持ってるってんだよ。」

 僕「・・・あぁ、それもそうか。」

キム「あっれー?おかしなぁ~写真ないよ。」

ボン「まぁ写真なんていいからいいから。ほら!海だぞキム!」

キム「海ーねー!」

 僕「うわぁ・・・キムやっぱオッパイでけぇなぁ。すげえ揺れてる。」

ユウ「ちょい待ち。」

ボン「何だよ、いきなり。」

ユウ「コイツ多分酒だけじゃねーな。ヤクもやってるっぽい。」

 僕「・・・それは俺の生活には存在しない単語だ。」

ボン「マジか?ユウそんなんわかんのか?」

ユウ「ラリったヤツ何人か見たことあるし、そもそもあの電話ボックスのあったとこドコか分かってんのか?」

ボン「そりゃ分かってるけどよ、それがどした?」

ユウ「あそこって有名なヤクザ街でよ、ほとんどのマンション住んでるのソレ系なんだよ。族の付き合いで何度か出入りしたことあるし。」

 僕「君たちが何言ってるのかわからないよ。そんな単語やめて。」

ボン「それ早く言えよ!なんで黙ってたんだよ!」

ユウ「そりゃあのハイテンポな展開だからよぉ。」

ボン「ヤー公の女だったらこりゃまずいな。」

ユウ「それにあの電話ボックスの近くに黒塗りベンツ見えたしなぁ。」

 僕「ほらこれだよ!ヤクザオチじゃねーか!」

ボン「しかし既に俺は勃起済みだ。」

ユウ「だからなんだよ!」

ボン「マジでー?もう終わりー?」

キム「早くみんな脱ぐ!」

 僕「うるせぇよ!黙ってろキム!」

ユウ「あ!車来たぞ!」

ボン「しゃーない、元んとこ戻すか。」

 僕「アレ追ってきたヤーさんだったりして!」

ユウ「可能性大だなー輪姦してるとこ現行犯狙いなのかも。」

ボン「んじゃ行くべ。」

 僕「早く早く!お前の人生で最大速度だせ!」

ボン「わーったわーった!ピーピーうるせぇなぁ!」

キム「ピーピー!わかる、ヒヨコね!」

 僕「だからうるさいってのキム!」

ユウ「ほんと女子供にだけは強気だよな、シゲは。」

 僕「うっせー!俺の人生が終わるかもしれんのやぞ!」

ユウ「んな騒いだってお前がオッパイ揉んでた事実は消えんぞ。」

ボン「だよなー実際生乳揉んだのシゲだけだよな。」

 僕「・・・え?」

ユウ「キムが帰って『オッパイ揉まれたね!何度も何度も何度も!』って訴えたらヤー公キレて追い込みかけてきたりしてな。」

ボン「この車もシゲのだしナンバー割れてたりしてな。」

 僕「あはは、もう終わってたんだね。そうかー終わったね。」

キム「泣いてる?よくない。」

 僕「ごめんなキム。もうキムチ嫌いとか言わないから。」

キム「???」

 僕「パク・チソンはなべおさみに似てるなんて言わないから。」

ユウ「それ全部関係ないだろ。」

 僕「何か謝りたい気分なんだよ!」

ボン「あーあ、今夜もつまらん夜だったな。」

 僕「すっげー夜だよ!二度とごめんだ!」

ユウ「今度拾うならバックのない女子高生にしたいもんだな。」

ボン「それだな!」

 僕「拾うのはやめよう。ほんとにやめよう。」


そして僕は一週間仕事を休んで引き篭もった。とにかく悔いを残さないようにオナニーしまくってた。窓から家の周辺を見張りながら。そんなこんなでもうすぐ30歳。
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